「寒っ…」


いつもより2本早い電車に乗ってしまった。
今日はなんかそういう気分だったから。

でも、学校行きのバスが出ていないことに気づいて、
結局そこから学校まで約2kmを歩くことにした。

「あー…何で今日に限ってこんなに寒いんだよ…」
息を吐けば真っ白に染まった空気が見える。

一応持ってきたカイロと、マフラーが唯一の頼り。

「あれ…純ちゃん?」
何でそんな気分になったのか…と、自分を責めながら歩いていると平が俺に声を掛けた。

「…?お前いっつもこんなに早く来てたっけ?」
いつも同じくらいに学校に着くコイツが…と疑問を口に出すと、
平は、妙に楽しそうに

「なんとなく、ね」
と答えて、純ちゃんは?と、付け足した。

「別に、なんとなく」
と、俺は答えて俺は、いつの間にか並んで歩いているコイツの歩調に気づいた。


「にしても、今日は寒いねぇ…」
「最高気温5℃だってさ」
「マジで?!ってか、純ちゃんいいもの持ってるね」
と、俺の命綱のカイロを俺から取り上げた。

「あ、お前返せよ…!!!」
「やだ。」
クス、と人の悪い笑みを浮かべてコイツは俺の掌をかっさらた。

つまり、俺はコイツと手をつないで登校することになった。

誰もいない朝早い学校へ。


「…こうしてた方があったかいでしょ?」
確かにその手は暖かかったけれど。

「別に…」

俺の言葉は昨日からいれっぱなしだったあいつのカイロみたいで。





Happy Birthday!!!相方!!! と、言うことでPAYです。 カイロって何気萌アイテムじゃないか…と、思ったのとか…色々で。