「ねぇ、美鈴っち。」

俺と現代文教師の美鈴はやたらと波長が合う。

「…広木ちゃんてさ、独り暮らし?」

「お前、幾ら理事長の孫だからって…敬語くらい使えよ…」
苦笑しつつも答える美鈴は一緒にいて楽しい。
…恋愛対象にはなりえないけど。

「で、どうなのさ?」

「広木先生…は多分独り暮らしだろ」
「ふぅん、でもその割には随分と綺麗だよね、Yシャツとか」
そういえばそうだ、と美鈴が頷く。

「家ってあのマンションでしょ?長城マンション」
「お前、詳しいな…」

「うん。この間聞いたんだけどね」

「じゃぁ、独り暮らしかとかも聞きゃよかっただろ?」
「そんなの、『俺、あんたの事狙ってるから』つってるみたいじゃん!!」

実際にそうだけど。


「美鈴先生、お電話です」
事務のおばさんが美鈴っちに受話器を渡した。
俺はじゃね、と手を振って職員室を後にした。

次は数学だ。
授業の後に数学の問題でも質問しよう。




口実作って、広木ちゃんの中で美鈴より誰より上に立ちたい。



気持だけは誰にも負けないから。





と、言う事で…2600番を踏んでくれました涼風さんに。 …いや、正直何番だか覚えてないです…(残念) だって結構前のだったんだもん…!(冗談じゃない) つーことで千明です。大好きです。 では、お納めくださいませ。